乙女座のシャカ
バンダイの人気トイシリーズ「聖闘士聖衣神話(セイントクロスマイス)」を更に昇華させた
新たな「聖闘士星矢」アクションフィギュアシリーズ『聖闘士聖衣神話EX(EXclamation)』
シリーズ第7弾は黄金聖闘士より“乙女座(バルゴ)のシャカ”をリリース。
聖闘士聖衣神話EX用の新可動素体をベースに、シャカの頭部と乙女座のゴールドクロスを本商品用に新規作り起こし。
クロス装着時のスタイルと可動に重点を置かれた仕様は今回も健在。 神話版から飛躍的にスタイルが向上しています。
神話版に劇的な変化をもたらした「聖闘士聖衣神話APPENDIX バルゴシャカ」を使用した状態の物(以下、APPENDIX版)
と比べても下半身のラインや全体のバランス等は比ではありません。
全体のもっさり感が無くなり、クロスのディテールもスッキリと自然に纏められています。
また聖闘士聖衣神話版(以下、旧版)からクロスの構造及び装着方法も変わっており
膝アーマーと脛アーマーが分割されていたり、可動式の大型肩アーマーが付属していたりと
可動特化に伴いクロスもより動きやすく、各パーツの密集度もグッと高まりました。
ちなみに旧版やAPPENDIX版ではプラ製だった大型肩アーマーですが、今回は遂にダイキャストパーツにて再現されています。
これによってクロスの合金使用率もグンとアップ。 ジョイント部を除けば、プラパーツは腹部と手甲部のみです。
頭部はEX素体に合わせて顔のバランスが調整されており、APPENDIX版から更に小顔気味に。
小顔の為、アニメ版の様な高身長感が強く表現されています。 ボディとのバランスも良好です。
フェイス部造形において進化がハッキリと感じられるのがアイプリント。
APPENDIX版と比べてもアイプリントの質がグッと上がっており、まつ毛の密度等情報量が増しています。
髪の毛もシャープに仕上がっており、顔が引き締まって見えます。 もみあげとフェイスパーツとの密着具合も○
後髪には程良い凹凸ディテールが入っているので、以前の様なノッペリ感もありません。
今回気になったのは腰部フロントアーマーの保持。
“ポロリ”とまでは行きませんが、他のパーツと比べると保持が甘く、足を動かしていたりすると外れることがありました。
バルゴのゴールドクロス 各部ギミック
バルゴのヘルメットも当然付属。
ヘルメット装着時には髪を専用の前髪パーツと後ろ髪パーツに差し替えます。
ちなみにヘルメットの角飾りも外れ易くなっていました。
ヘルメット装着時の後髪パーツは首部ジョイントに直接固定するタイプ。
取り付け口はジョイントを包むO型なので外れる心配はありません。
大型肩アーマーは固定タイプと可動タイプの2種類付属。
両方ともアーマー部はダイキャスト製。 可動タイプは裏側に可動ジョイントが設けられているので、その分厚みがあります。
可動タイプの大型肩アーマーは、前と後の連結部を除いたプレート(片面3枚)が可動します。
蛇腹状に連結されているのでは無く、プレート一枚一枚が独立して可動するという玩具オリジナルの解釈。
基部の可動ジョイントを開くことにより、肩の可動域を広げる事が出来ます。
これにより旧版では不可能だった前方や上方向への腕の可動が可能となりました。
腰部フロントアーマーは基部のスイング可動とアーマー側のボールジョイントによる2重間接構造。
腰部リアアーマーは2重スイング可動。
腰部サイドアーマーは計4箇所が可動するジョイントで接続されています。
両先端の上下スイングとボールジョイントに加え、中間点に上下と左右にそれぞれ可動するジョイントが組み込まれている多重構造。
アーマーを大きく開けるのは当然、太股の位置に合わせてアーマーの向きを調整できるので、開脚時のラインも綺麗です。
バルゴシャカ用可動素体
聖闘士聖衣神話EX用に開発された新可動素体を使用。 アンダーウェアカラーも当然アニメ版カラーとなっています。
聖闘士聖衣神話EX用新可動素体の詳細及び専用ディスプレイステージ(別売り)についての詳細は
「聖闘士聖衣神話EX ジェミニサガ」のページを参照にしてください。
乙女座の黄金聖衣(オブジェ形態)
従来の聖闘士聖衣神話シリーズと同様、オブジェ用フレームにクロスパーツを取り付けることで恒例のオブジェ形態も再現可能。
APPENDIX版と同様に旧版でオミットされいた頬当てと大型肩アーマーの変形は
オブジェ用専用パーツが用意されており、装着時パーツとの差し替えにて変形を再現しています。
その為オブジェ時には装着時用の頬当てと大型肩アーマーは余剰パーツとなります。
一部パーツの構成は異なりますが、オブジェフレームへのパーツ取り付けは旧版+APPENDIX版とほぼ変わりありません。
といってもクロスやフレーム部は当然新規パーツなので、オブジェのスタイルも神話版から大幅に向上しています。
当然オブジェ用の手もメッキパーツです(旧版では非メッキパーツだったので、その部分だけ浮いていました)
付属品&各ギミック
オプションハンド×10種(握り手、素体用握り手、平手×2種、持ち手、合掌、右ポーズ手、左ポーズ手、組み手×2種)、手甲パーツ×2セット
フェイスパーツ×5種、ヘルメット用髪パーツ×一式、数珠×2種、アクション用大型肩アーマー、マント用ジョイント
蓮華座(画像省略)、可動式マント(画像省略)、オブジェ用フレーム(画像省略)
フェイスパーツは閉眼通常、閉眼微笑、閉眼叫び、開眼通常、開眼叫びの計5種類付属。
輪郭やパーツの配置など破綻の無い良いバランスで、どの表情もちゃんと“シャカ”になっています。
ただし眉毛が前髪で隠れてしまうので、開眼時の叫び顔はイマイチ迫力不足。 目がもう少し険しい方が良かったかな。
クロス用のハンドパーツは基本的な握り手や持ち手、形状の異なる2種類の平手の他に
合掌タイプの平手や印を結んだ状態を再現したポーズ手等も用意されています。
座禅ポーズ等で活用できる組み手も付属。 印の異なる2種類の組み手が用意されています。
アニメ版のシャカが座禅を組む際に使用する蓮華座をイメージした台座が付属。
旧版よりも大型化しており、台部分に座禅を組んだ状態のシャカをスッポリと収めることが出来ます。
シャカが座る台座には腰部アーマーの干渉を防ぐための溝も用意されているので、変に腰が浮いてしまう事もありません。
土台部分には未使用の大型肩アーマーパーツを取り付けられます。
可動タイプと無可動タイプ両方とも取り付け可能。 オブジェ時にはこちらに纏めておくのが良いかと。
聖闘士聖衣神話EX仕様の可動式マントも付属。
クロスとの接続部はバルゴのゴールドクロス仕様となっており、ガッチリと固定できます。
ただしクロスのデザインの関係上、可動式マントを取り付けると大型肩アーマーの背面側連結部が浮いてしまいます。
正面からは目立たないので大きなマイナスにはなりません(非可動タイプの大型肩アーマーではマントは装着出来ません)
聖闘士聖衣神話EX仕様の可動式マントの詳細は 「聖闘士聖衣神話EX ジェミニサガ」を参照にしてください。
ちなみにいつもよりもマントの接続位置が低い為か、マントの裾が地面に付いてしまいます。
その為の“可動”なのですから後ろに動かしてやれば良いのですが、素立ち時にはどうしても目に付きます
百八つの珠で編みあげられたシャカの数珠も付属。
旧版のよりも大型化しており、数珠の形状的にもサイズ的にもより劇中に近いものになっています。
ちなみに旧版の数珠は軟質製でしたが、本商品ではプラ製に変更されていました。
より立体的な数珠の形状を再現する為でしょうか破損しやすそうな形状なので取り扱い時には相当気を使います。
数珠を振りかざした状態を再現したアクションタイプの数珠も付属。
バルゴクロス最大の特徴である大型肩アーマーの関係で、最も可動と相性の悪い黄金聖衣であることは間違いありません。
ですがそこは可動に特化した聖闘士聖衣神話EXシリーズ 大型肩アーマーにまで可動ギミックを仕込み
従来のバルゴクロスでは不可能だった“腕を大きく使ったアクション”までも可能としています。
ギミックだけでは無く、見た目への影響も極力抑えられており、ここまで複雑な構造を有していながらもこの薄さ&一体感を実現しています。
大型肩アーマーの可動ギミックは腕周りの可動だけでは無く、マントパーツの装着にも一役買っています。
厚みがあるので隙間が出来てしまうという難点はありますが、このタイプのマントでは仕方がありません。
むしろよくこのデザインのクロスに分厚い可動タイプのマントを取り付けられたものだと感心します。
ただしマントの長さが合っていなかったのはマイナス。 共通パーツというのがアダになりました。
腰回りのアーマーにはEXシリーズお馴染みの多重間接ジョイントが組み込まれているので
旧版の様な“無駄なはね上げ”を必要とせず、脚の向きに沿った自然なフォルムを作り出す事が出来ます。
EX素体自体の可動も優秀なので座禅ポーズもより自然に決まり、クロスのフォルムも綺麗に纏まります。
クロス関連のマイナスポイントは腰部フロントアーマーとヘルメットの角飾りの保持。 それ以外は申し分なしと言えるでしょう。
旧版から付属していた蓮華座型台座や数珠も、本体同様パワーアップして帰ってきました。
数珠はより劇中に近いサイズ&形状となり、見栄えがグッと良くなっています。
通常時の他にアクションタイプも用意されているので、ポージングの幅も広がっています。
蓮華座型台座はフィギュアが余裕で座れるサイズなので、フィギュアをセットした状態のインパクトは旧版のそれとは桁違いです。
クロス装着時でも綺麗に座れる様な配慮も高得点。
余剰パーツとなる大型肩アーマーを土台デザインの一部に組み込む という試みも面白いじゃないですか。
可動タイプの大型肩アーマーの他に、見た目重視の固定タイプも用意しているという、基本的な部分も忘れてはいません。
シャカのアクションに対応したバリエーション豊富なハンドパーツや、表情豊かなフェイスパーツも魅力的です。
肝心のフェイス部造形やクロスの色合い等 シリーズでちょくちょく問題になるポイントがありますが
今回はどこも綺麗に纏められており、造形や色に限って言えば粗がありません。
ここ最近何かしらの問題を抱えていたEXシリーズですが、久しぶりに安定した物に出会えた様な気がします。
この位のクオリティがEXシリーズの基準になってくれれば良いのですが。
评论